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わずか数年前に、予測家は電力の過剰供給の訪れを想定していた。しかし現在は、今後の需要増を見通して電力危機が迫る可能性が取りざたされている。確かに、米国の電力需要はすでに高いレベルにあるにもかかわらず、今後5年間、またそれ以降を見通しても需要は増える一方であると予測されている。
政府の予測家によれば、2030年の米国における電力需要を満足するには、少なくとも35万メガワット(MW)の発電能力が新規に必要になるという。ちなみに2006年から2012年までに
は8万から9万MWの発電増が必要になる。
米国内の意見では、ベースロード(base load)電力を確保し、増加する需要に応えるためには、新しい発電所と送電システムへの投資を増やす必要があるという点で一致している。しかし、電力規制が緩和されている地域、またはそうでない地域においても、新規に建設されている発電所と送電システムは少なく、米国の電力供給予備力は低下している。理由は、新規のベースロード発電所の建設資本コスト、ならびにCO2規制と燃料価格に関する不透明感が抑制要因となっているからである。
ブッシュ政権は、高騰する輸入原油への依存度引き下げを狙って、原子力発電も含めたあらゆる再生可能エネルギーへの投資を奨励。そのための税制面でのインセンティブを用意。また、側面から政治化している地球環境問題の台頭で、気候変動とこの再生可能エネルギーが最重要課題として前面に躍り出ている。
本書は、2006年の発電量約107万MW、2030年には142万MWが必要とされる電力業界にあって、将来の法規制から業界の構造変化、発電・送電・配電状況、電力マーケティング、電力市場の成長予測、再生可能エネルギー市場の成長予測、そして将来のエネルギー戦略を高所から俯瞰してまとめた報告書である。現在と将来の米国電力産業の縮図が一望できれば幸甚である。
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